ITILファンデーション
ITILファンデーションはこんな資格!
- イギリスの政府機関がまとめたベストプラクティス集「ITIL」をもとにした資格
- 世界標準となるITサービスマネジメントの方法を学べる
- ITILファンデーションはITIL資格の中では入門者向けに位置するグレード
ITILファンデーションとは?どんな資格ですか?
ITILファンデーションはイギリスの政府機関がITサービスマネジメントの成功事例をまとめた書籍「ITIL(Information Technology Infrastructure Library、アイティル)」の知識が身についているかを問われる試験です。
ITILにはファンデーションからマスターまでのグレードがあり、ITILファンデーションは入門者向けの難易度となっています。ITサービスが普及したことにより正しく運用できるシステムの重要性への需要は高まっています。そうしたITサービスマネジメントの成功事例をまとめたITILの勉強をすることはより良いサービスを提供する上で大きな力となるでしょう。
ITサービスマネジメントとはなんですか?
ITサービスマネジメント(ITSM)という名称からなんとなくITサービスの管理に関するものだなと予想はできても、具体的に説明しようとすると難しいのではないでしょうか。
ITサービスマネジメントというのは利用者が必要とするITサービスの導入やシステムの維持管理するのに必要となる活動全般のことです。
クラウドサービスなど業務でITサービスを利用するのは今や当たり前となっていますが、そうしたITサービスをいつでも利用できる状態で維持するためにはマネジメントをしてくれる人材が必須となります。つまり、簡単に言ってしまえばこうした会社で利用するITサービスの維持管理をするのがITサービスマネジメントです。
多くの企業ではIT部門や情報システム部門といった部署がITサービスマネジメントを担当しています。
ITILファンデーションを取得するメリットはなんですか?
ITILファンデーションの資格をとることで世界標準レベルのマネジメント知識があることを客観的に証明できるため、就職活動時のアピールポイントとして役に立つでしょう。
また、成功したITサービスの考え方をしっかりと理解することでシステム構築を論理的に行えるようになります。
ITサービスが普及したことにより多くの企業に情報システム部門やIT部門が置かれていますが、そうしたところで働くときにこのITILファンデーション資格の知識を活かせます。
どんな試験?会場は?
2019年にITILの新バージョンとなるITIL4が公開されました。それまでのITILが実務的な内容中心だったのに対してバージョン4ではビジネスの価値を創出することにも踏み込んだ内容となっており、事業戦略のような上流視点にも踏み込んだ内容となっています。
最新の状況に合わせた内容へアップデートをした反面、バージョン3に比べるとエンジニア目線の内容が減ってしまったという問題点もあります。なので受験者の中には、まずはV3に合格してつぎにV4へステップアップを目指す人もいます。
現在のところV3とV4の試験が選べる状態となっていますが、V3はいつまで試験が提供されるかわからない状態なのでV3の受験を考えている人は注意しましょう。
申し込みはプロメトリックとピアソンVUEというサイトから可能です。
それ以外にもさまざまな受験方法があり、試験と講座がパッケージになったサービスを提供しているところもあります。自分にあった方法を選ぶと良いでしょう。
ITILファンデーションの難易度はどのくらい?
ITILの資格には4つのグレード(ファンデーション~マスター)があり、ファンデーションはもっとも低いグレードの入門者向け資格となっています。
IT系資格の難易度を分類した「ITスキル標準」でも一番下のレベル1となっており、これはITパスポートなどと同じレベルです。
ITIL独特の用語があるため最初は戸惑うかもしれませんが、過去問や参考書を使ってしっかりと勉強すれば合格は難しくないでしょう。
試験形式
プロメトリック公式サイトより抜粋
試験名 | 所要時間 |
---|---|
ITIL® Foundation Version 3 (Japanese) | 77分 |
ITIL® Foundation Version 4 (Japanese) | 77分 |
CBT方式による4肢択一式。受験料として43,890円(税抜き)の費用がかかります。
まだ進路も悩んでいる…
ITILファンデーションはどんな職業で役に立ちますか?
ITILファンデーションで得た知識は企業の情報システム部門やIT部門、ITを使ったサービスの企画、事業計画などで役立てることができます。
ITILで学んだことを発揮できればより安定性の高いサービス運用も可能となるでしょう。
資格が役立つ業界・職業
システムエンジニア
システムエンジニアは業務用のシステムを開発するITエンジニアのことでSEと呼ばれることも多いです。
企業で扱うシステムは業務に必要となる機能を備えていればいいだけでなく、扱いやすさや堅牢性、セキュリティ対策などが重要となります。ITILファンデーションで学ぶベストプラクティスは安全性の高いシステムを開発する上で役に立ちます。
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ITコンサルタント
ITコンサルタントは企業の悩みや課題を分析し、ITサービスを使ってその問題を解決する職業です。
ITに詳しいクライアントばかりではないのでITILファンデーション資格で学べるようなITサービスマネジメントの知識があると役立つでしょう。
インフラエンジニア
インフラエンジニアは企業が業務で使うサーバーやネットワークシステムといった基幹システムを設計・開発・運用・保守する職業です。ITILファンデーションでシステム運用のベストプラクティスを学ぶことで、より使いやすく安全なシステムの構築が可能となります。
また、ITサービスマネジメントの意識の高まりもあり、ITILを採用する企業が増加しているので将来的にも役立つでしょう。
ITILファンデーションのほかにはどんな資格がありますか?
ITパスポート試験
IPAが実施している国家資格です。IT入門といった位置づけの資格で対象は「ITを扱うすべての人」となっています。
基礎的な要素を広く浅く学べるので、IT初心者にオススメの資格です。
ITILスペシャリスト
このページで紹介しているITILファンデーションは、ITIL資格の中では一番下のグレードとなっています。
ITILについてさらに深く学びたいなら次のグレードであるITILスペシャリストを目指すのがオススメです。
ITILスペシャリストは内容別に3つの資格に分かれているので自分が興味のあるものから勉強するとよいでしょう。
また、受験資格としてITILファンデーションの合格が必要なので気を付けましょう。