エンベデッドシステムスペシャリスト(ES)
エンベデッドシステムスペシャリスト(ES)はこんな資格!
- 組込みシステム(エンベデッドシステム)のための国家資格!
- 合格率が17%しかない難関試験!
- 組込みシステムの設計や構築に関する知識が問われる!
エンベデッドシステムスペシャリストとは?どんな資格ですか?
エンベデッドシステムスペシャリストはIPAが実施している国家資格の1つです。高度情報処理技術者試験に位置づけられる高レベルな試験で、IoT機器などで広く利用されている組込みシステムの開発に関する問題が出題されます。
組込みシステムはハードウェアとソフトウェアがセットで開発されることも多いため、組込みエンジニアには両方の知識が求められます。
さらに、IoT機器のようにインターネットを利用した製品ならネットワーク知識やセキュリティの知識も重要となるなどエンベデッドシステムスペシャリストに必要とされるものは多いです。
組込みシステムとは?
組込みシステムは「機器の制御のためにその機器へ組み込まれるコンピューターシステム」のことで特定の機器を制御することに特化したシステムです。
一方、パソコンのようにさまざまな用途で利用できるコンピューターは汎用機と呼ばれます。
使用されるプログラミング言語はさまざまでC、C++、Python、Javaのような高級言語だけでなく、制約の厳しい用途ではアセンブリ言語(アセンブラ)と呼ばれる低級言語もよく利用されています。
エンベデッドシステムスペシャリストを取得するメリットはなんですか?
組込みシステムのスキルはIoTやドローン、自動運転、無人システムなど今非常に注目の高い分野でも活かせるものです。こうした将来性の高い分野の国家資格をもつことは自分の価値を客観的に示すうえで大いに有用となり、就職や転職のさいにも役立つでしょう。
また、最先端分野でなくとも活躍の場所が多いのも大きなメリットです。テレビやルーター、ロボット掃除機のような家電製品はもちろんスマートフォンのような通信機器、レントゲンや各種分析装置のような医療機器、ほかにもATMや自動販売機、ゲーム機など電子制御が必要となる製品には組込みシステムが欠かせません。
このようにあらゆる産業分野で活躍できるのがエンベデッドシステムスペシャリストです。
どんな試験?会場は?
IPAの試験には受験資格等はないので誰でも受験することが可能ですが非常に難易度の高い試験であり、合格者のほとんどが数年以上の業務経験のあるエンジニアです。
経験のあるエンジニアが多く受験する試験でありながら合格率は17%ほどとなっておりその難しさが伺えます。なので未経験や学生がいきなり合格を目指すのは非常に難しいでしょう。
また、IPAの試験は春期と秋期に開催されますが時期が同じ試験は同日開催となるため、秋期におこなわれる別の試験と同時受験することはできません。ほかにも受験したい資格がある場合は注意しましょう。
組込みシステムの利用場所の多さやハードウェアとソフトウェア両方の知識を必要とする性質からエンベデッドシステムスペシャリスト試験の出題範囲は非常に広いものとなっています。
試験の種類も午前2つ午後2つと多く、しっかりと勉強しないとカバーしきれません。
参考書や過去問を使った独学や業務で培った経験を活かして試験の合格を目指しましょう。
試験形式
試験時間 | 出題形式 | 出題数 | 解答数 | |
---|---|---|---|---|
午前Ⅰ | 50分 | 多肢選択式 | 30問 | 30問 |
午前Ⅱ | 40分 | 多肢選択式 | 25問 | 25問 |
午後Ⅰ | 90分 | 記述式 | 3問 | 2問 |
午後Ⅱ | 120分 | 記述式 | 2問 | 1問 |
※午前Ⅰは条件次第で免除可能です。
まだ進路も悩んでいる…
エンベデッドシステムスペシャリストはどんな職業で役に立ちますか?
組込みシステムを搭載した機器は民生機器、産業機器を問わず多くの場所で利用されているのでエンベデッドシステムスペシャリストが活躍できる分野は多岐にわたります。
組込みシステムはハードウェアとソフトウェア両方の知識を必要とする高度なシステム開発なのでこの資格で学んだことはきっと役立つでしょう。
資格が役立つ業界・職業
組込みエンジニア
組込みエンジニアは組込みシステムを開発するエンジニアです。電子制御を必要とする機器を製作している分野では必要不可欠な存在となっています。
また、IoTの普及と共に組込みシステム開発者への需要が増しているので将来性の高い職業と言えるでしょう。ハードウェアとソフトウェア両方の役割をよく理解したうえでシステムの設計や開発を求められるため、高度な知識が必要となります。
エンベデッドシステムスペシャリストはまさにこの組込みエンジニアのための資格です。組込みエンジニアを目指すならぜひ挑戦しましょう。
ロボット開発エンジニア
ロボットのように自律して何かの作業をしてくれる機械を開発するエンジニアです。ロボット掃除機や産業用ロボットには組込みシステムが搭載されておりそれによって周囲の状況判断や姿勢制御などをおこなっています。
ハードウェアとソフトウェア両方の知識が必要となる職業なのでエンベデッドシステムスペシャリストで学んだ知識を活かしやすいでしょう。
エンベデッドシステムスペシャリストのほかにはどんな資格がありますか?
応用情報技術者試験
IPAが実施している国家資格です。エンベデッドシステムスペシャリストよりも難易度が低い試験なので、まずはこの資格から挑戦してみるのもオススメです。
この資格に合格すると高度情報処理技術者試験の午前Ⅰの試験を2年間免除できるので余裕をもった受験が可能となります。