株式会社セガ

海外にも多くのファンを持つ、日本を代表するゲーム会社のひとつセガ。コンシューマーからオンラインまで、様々な形でユーザーに感動体験を提供する。同社の代表作『PSO2ニュージェネシス』(以下「NGS」)に関わるプランナー、プログラマー、デザイナーに、仕事の取り組みについて教えていただきました。

色々な人たちが「自分の仕事がいちばん楽しい」と思ってやっている。
こんな業界は他にない!

Member

第3事業部 第3開発1部
第1企画セクション

吉岡 哲生氏

入社9年目。『PSO2』EP6ディレクターを担当し、現在は『NGS』にて武器、コスチュームなどの監修を行うアイテムパートディレクターを担当。

第3事業部 第3開発1部
第1デザインセクション

永迫 尚之氏

入社5年目。『NGS』のエネミーモデル班にてエネミーの3Dモデルを作成してきて現在は班内の作成物の監修や作業フローの管理などに携わる。

第3事業部 第3開発1部
第1プログラムセクション

小高 大地氏

入社11年目。『NGS』UI班のプログラムリーダー。『PSO2』開発初期から携わってきており、過去にはマップギミック関連も担当。

ゲーム会社らしい賑やかな環境で、楽しくワイワイ仕事しています

学生: 御社の社風や雰囲気を教えてください。

永迫: 学生の頃に想像していた「会社」の雰囲気とは全然違いました。周りからは「社会は厳しいぞ」と脅かされていたのですが、いざ入社してみると先輩たちがいつも大事に守ってくれました。

小高: ゲームの会社らしい和やかで賑やかな環境で、楽しくワイワイやっている雰囲気です。みんなラフな格好で仕事していますよ。

吉岡: 私は前職が医療業界で完全なタテ社会だったのですが、ここでは先輩も後輩も関係なく良いアイデアを出せば採用される。その文化の差は、強く感じました。

学生: 1つのゲームを開発するのに、どれくらいの人が関わられるのですか?

吉岡: 大きなプロジェクトになると、制作・運営・宣伝スタッフ等を合わせて数百名くらいになりますね。仕事をしていて、いろんな圧は感じます(笑)。

学生: ゲーム制作の仕事の楽しい部分と、逆に辛い部分は何でしょうか?

永迫: 楽しいのは、ユーザーからのリアクションですね。たとえばプレイとは関係ない環境生物なんかを目にとめてくれて、遊んでもらったりすると嬉しいです。反対に自分が面白いはずだと思って組み込んだ要素が、プレイヤーに気づいてもらえないとヘコみますが(笑)。

小高: モノづくり、プログラムづくりはもともと好きなので、基本仕事は楽しいですよ。一般の会社だとクライアントから発注されるかたちが多いと思うのですが、SEGAでは自分たちで作れる楽しさがあります。辛いのは…バグが出た時の修正作業ですかね。単純に(笑)。

吉岡: ユーザーの意見を踏まえ、自分の考えとスタッフの考えを掛け合わせてモノづくりしていくプロセスに大きな楽しさを感じます。ただ立場が上になると管理業務が増えて、ゲームの細かい部分まで自分で作りこめなくなる物足りなさがありますね。

学生: 仕事に行き詰まってしまう時は、どのように乗り越えられるのでしょうか?

永迫: 行き詰まりを感じるのは、自分が狙った表現ができない時や、企画からの注文をなかなかモデルに落とし込めない時…。そんな時は、できることから少しずつやって、時間がかかっても理想に近づけていくしかないです。

吉岡: 私は逆で、行き詰まった時は一旦放置するようにします。最終の締め切りだけを設定して、前日までは放っておく。そうすると、前日には必ず何か解決策を思いつくんですよ。追い詰められているからですかね(笑)?

小高: そんな時は、すぐ人に相談するようにします。フロアには何百人もいるので、誰かしら答えを持っている。だからこそ「この人は、これに詳しい」ということを知っておくために、普段からのコミュニケーションが大事ですね。(笑)。

ユーザーがほしいものを第一に考え、自分の好みは二の次にする

学生: 皆さんがゲームを作るうえで、考え方の軸としていることを教えてください。

永迫: ゲームとは、お客様をもてなすものだと思います。最高のものを届けるためには、企画書やアートデザイン通りに作っちゃ駄目で、キャラクターの動きを効果的にモデリングすることを何より心がけています。

小高: プログラミングを家づくりに例えると、家の目に見えない基礎部分の設計です。基礎が悪いと何かの拍子に家が倒れてしまうかもしれませんので、細心の注意を払わなければなりません。

吉岡: プランナーが企画や仕様を作成する時は、自分の知識や経験がベースになります。だから、日頃からゲーム以外にも映画など多くのエンタメに触れて、遊んでおくことを大事にしています。

学生: キャラクターのコスチュームデザインを考えるうえで、大事なことは何でしょうか?

吉岡: デザインの詳細より、まず方向性をしっかり決めることです。ユーザーがほしいものを第一に考え、自分の好みは二の次にする。ともすると意識せず自分の好みを押し付けているような場合もあるので、そこは気をつけるようにしています。

学生: プログラマーの仕事は、主にどのようなものが多いですか?また、将来プログラマーを目指すうえで、学生のうちにやっておくべきことは何でしょうか?

小高: 最初はもちろん、コードを書く作業が多いです。経験を重ねてくると、だんだんミーティングが増えてきて、ツールを作ったり変わったこともやるようになります。自分の過去を反省するとすれば、ちゃんと設計を覚えるために、学生のうちに仲間とゲームを作る経験をしておけば良かったなと思いますね。

学生: 御社の3Dモデラーになるために、これをしておくべきというアドバイスはありますか?

永迫: 3Dツールは、使える数が多いほうが有利になります。それと学生のうちは、好きなものを尖らせておくことが大事だと思いますよ。たとえばロボットが大好きで立体に残すのが得意な人なら「この人材をどう活かそうか?」というふうに会社は考えますから。ツールが半分、趣味が半分で突き詰めていけばいいのではないでしょうか。

「ゲーム業界いいな!」と思ったら迷わず飛び込もう

学生: 御社が学生を採用される際に、最も重視されることは何でしょうか?

永迫: 3Dツールは年々進化していて、前のプロジェクトで使ったものは次のプロジェクトではもう使わないといったことが多くあります。なので、求める人材像としては、新しいものにどんどんチャレンジしていく姿勢を持った人ですね。

小高: ゲームをプレイするのも好き、ゲームを作るのも好き、両方好きな人が最終的に結果を出せる気がします。「好きこそものの上手なれ」を大切にしてください。

吉岡: プランナーに求められるのは、他人の話をかみ砕いて落とし込めるスキルです。プロ同士で仕事をすると、必ず意見が分かれることもある。そこで何を残し、何を削ぎ落すか、みんなの意見をすり合わせながら決めていくことが大切になります。プランナーの意向だけでゲームを作っても、決して良いものはできないですからね。

学生: 最後に、ゲーム業界を目指す学生たちへメッセージをお願いします。

永迫: 大変なこと、苦労することももちろんありますが、ゲームづくりはやはり楽しいです。色々な職種の人たちが「自分の仕事がいちばん楽しい」と思ってやっている、こんな業界は他にないと思います。ゲーム会社への就職は、ぜひオススメしたいですね。

小高: 自分は教わるというより試行錯誤してゲームを作っていましたが、諦めずにしっかりと準備をすればプロとしてやっていくことができました。たとえゲームづくりの勉強のスタートが遅くなったとしても大丈夫です。頑張ってください。

吉岡: 就職活動の際は、いろんな会社に目移りすることもあるでしょう。でもそこで悩んでゲーム業界を諦めるのはもったいないので「ゲーム業界いいな!」と思ったら、まずは飛び込んでみてください。年を取ると、チャレンジできなくなることも多いと思います。若いうちこそ、ぜひやりたいことにチャレンジしてほしいですね。SEGAでは、新たな拠点として国内第2のスタジオを札幌にオープンします。札幌は、ITやエンタメがこれから成熟していく都市で、環境も素晴らしい。地元の学生でも、Uターンでも、Iターンでもいい。そこで働いてみるのも、面白い選択だと思います。

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目指せる職業

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Game Programmer