NVIDIA(エヌビディア合同会社)
GPUの世界的トップメーカーNVIDIA社。AIや自動運転など新たな領域に加え、COVID-19流行によって余儀なくされたリモートワーク支援など、その技術は幅広く活用されています。同社で仮想GPUのビジネス開発を担当している後藤さんに、AIの未来を担う次世代への希望を語っていただきました。
新たな可能性を切り拓くのは若いチカラです。
エンタープライズ事業本部 vGPUビジネス開発マネージャ
後藤 祐一郎氏
ユーザー企業、国内システムインテグレータでクラウド、仮想化やVDI、インフラの提案や設計、構築や運用保守を経験。課題や事業展開をお伺いし、業務や運用を見据えた最適なシステムの提案を得意とする。2017年2月より、NVIDIAに入社して現職。仮想GPUソリューション(NVIDIA vGPU)を活用して、生産性向上を推進する業務に従事。
日々情報をキャッチアップし、生産性向上へつなげる
学生: 御社の社風や雰囲気を教えてください。
後藤: 非常に自由な雰囲気です。隔てなく自分たちがやりたいことを率先し、尊重し合いながら仕事をさせてもらえる環境だと感じています。次から次に新しいものが出てくる業界ですが、それを吸収することを推奨してくれる会社です。
学生: 今はどのようなお仕事をされていますか?
後藤: NVIDIA vGPU(仮想GPU)のビジネス開発を担当しています。グラフィックスやコンピューティングのワークロードを効率的にご利用頂くこと、技術や活用の可能性をお伝えし、様々な業界のお客様の生産性向上を支援しています。
学生: この業界を目指したきっかけと入社したきっかけを教えてください。
後藤: もともと私はMicrosoftの技術が好きで、ユーザー企業のWindowsクライアントやサーバ環境の構築、運用をしておりました。業務の中で担当している仮想GPU(NVIDIA vGPU)を提案するようになり、非常にやりがいを感じました。「NVIDIAのこの技術を“広める”仕事をしたい」と入社を決めました。
学生: 外資系企業ですが英語はどの程度重要ですか?
後藤: 国内のお客様とのやりとりは日本語で問題ありません。社内にはグローバルな人材が多く、最新の情報は英語です。コミュニケーションや理解を深めるためには必要となります。また、自分からグローバルに発信したいと考えた際、英語が使えると、より“自分らしさ”を出せるかもしれません。
AIを身近に、ニーズに応えるテクノロジーに着目
学生: 御社のNVIDIAvGPUとVDIの強みについて教えてください。
後藤: NVIDIA仮想GPU(vGPU)は、弊社製品だけでは成立しません。特定のメーカーやパターンのみでしか使えないわけではなく、多数のサーバーメーカー様、仮想化やVDI (バーチャルデスクトップインフラストラクチャ)、OSやISVなどのソフトウェアメーカー様と一緒に共同開発させて頂き、NVIDIA vGPU+VDIを構成することで、仮想環境で様々な業務のワークロードを最大限のパフォーマンスでどの場所からでも、どんなデバイス(PC/スマートフォン/タブレットなど)からでもご利用頂けることは、大きな強みだと思います。
学生: 御社が一番力を入れている事業は?
後藤: 新たに“仮想環境でのAI”を広めることにも着目しています。いまだAIは難しいもの、仕事を奪うもの、と一部にはネガティブイメージが残り、浸透していません。AIを身近に感じて頂きたい。より具体的にAIやテクノロジーを通して、様々なことがより豊かに、助けになることをご支援しております。また一方でグラフィックスです。私たちが気軽に鑑賞している映像が完成するまでには非常に多くの人の時間が費やされています。グラフィックスの効率的な制作環境にも力を入れております。
学生: 新しいソリューションを生み出すためにどのようなアプローチをしていますか?
後藤: お客様やパートナー様の声をお伺いすること、市場の変化とニーズを常に意識して情報収集することを心掛けています。NVIDIAの製品や技術を他社の製品やサービスなどとも組合せ、新しいソリューションとして、どのようにご利用いただくことが最適で有効な提案になるのか、常に意識しています。
学生: NVIDIAが考える今後の開発テーマは何ですか?
後藤: NVIDIAはコロナ禍でのリモートワーク、創薬や環境の研究、ロボットや自動運転など時代や未来に必要となるニーズに注目して、グラフィックスやコンピューティングなど、様々な観点で開発が進んでいきます。
人とAIの共存のポイントは楽しみながらトライすること
学生: 今一番注目しているAIの分野は何ですか?
後藤: たくさんありますが、個人的には医療分野ではさらに活用してもらいたいと思っています。例えば1つの脳のレントゲン写真から、脳外科の先生が腫瘍を見つけるには3人のドクターの判断が必要です。それでもどうしても見落としてしまう場合があるとお聞きします。そこにはAIが活用できると思います。大量のレントゲン写真を元に教師データベースにAIで一旦腫瘍を判断する。見落とす率を削減するといった点では、ディープラーニングやAIは非常に重要。また、人だけでは対応できないもしくは対応しにくい業務、負担がかかっている作業に対してAIを活用することに注目しています。
学生: 人とAIが共存できる社会を実現するために気をつけることは?
後藤: AIのネガティブな点ばかりを見るのではなく、どう活用すれば人や社会のためになるか。ハードルなど考えず、いい方向に活用してもらえれば何も悪いことはありません。若い人たちが積極的な発想を持って、AIを楽しんで試してもらうことが今後大切だと思います。
学生: AIを導入する上で一番大変になると予想される業界は?
後藤: 特定の業界が大変という印象はありませんが、やはりまだAIは「難しいもの」と敬遠されてしまう傾向があるかと思います。AIの可能性に気づかず、無理だと思っている人が多い。柔軟な姿勢とアイデアを持ちながら、各業界の業務にあったAIの活用を説明、導く方々が増えると良いですね。
学びを生かし、若い力で日本を元気にしてほしい
学生: 御社が学生時代に学んでおいてほしい能力や技術はありますか。
後藤: たくさんありますが何よりも大切なのは「その技術はどのようなことに役立つことなのか」。技術を覚えるだけでなく、技術を通して、具体的にどのようなことに、誰に対して、有益なのかが重要です。さらには実際にどの業種のどの業務に対して、有益なのかも意識して欲しいです。そのためには興味がある、目指したい業種についても学んでいただきたいですね。
学生: テクノロジー系の学校に期待することはありますか。
後藤: カリキュラムを見るだけでも技術は相当身についていると思います。技術を追うのは非常に大変ですが、最新の情報が学べる環境というのはすごく幸せな状況です。「技術プラス業種」を意識しながら、学んでいただきたいと期待しています。
学生: AI、IT、ロボット業界を目指す学生へエールをお願いします。
後藤: デジタルトランスフォーメーション(DX)の波が押し寄せています。日本にもデジタル庁が新設されました。日本はとても慎重な方々が多いです。優秀な人材がたくさんいても慎重になり過ぎて機を逃してしまうことがあります。まずは「やってみる、進んでみながら考える」と言うことも大事です。この状況を変えることができるのは若い方々の力です。AI、IT、ロボット業界は、今もそして未来も必要不可欠な技術となります。必ず社会に役立ちます。ぜひ希望を持って学んでください。自分が目指したい技術や業種を意識しながら取り組んで、ぜひ日本を元気にしてほしいです。皆さんならできると思います。
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