株式会社I-ne 取締役 兼 販売本部 本部長代理

伊藤 翔哉さん

2011年:株式会社I-ne入社。
2013年:EC事業部責任者に就任し、主にデジタル関連の広告、マーケティングを兼任。
2017年:取締役 兼 販売本部 本部長代理に就任。(現任)

ビューティー × テクノロジー
多様な情報・知識・スキルを
発想に生かして流行を創出、そしてブランドの成長へ。

SNSで話題の商品が爆発的に売れる。今やそんな現象は珍しくなく、eコマース(インターネットショッピング)も当たり前の存在に。今後も成長を続けるeコマース業界で活躍するためには、どんなスキルや経験が必要なのでしょうか。
ボタニカルライフスタイルブランド「BOTANIST」や美容家電「SALONIA」など、多数のブランドを運営する株式会社I-neの取締役、伊藤翔哉さんにお話を伺いました。

緻密なデータと戦略がブランド成長のカギ

学生: Instagramに注力したきっかけや、その運用で大切にしていることは何ですか?

伊藤さん: 「BOTANIST」を発売した2015年当時、Instagramは今ほどユーザーは多くありませんでした。ただ欧米でユーザーが増えており、弊社でも情報収集にInstagramを使っていたことから、日本でも必ず流行するという感覚がありました。また、「BOTANIST」は従来のシャンプーにはなかったシンプルでデザイン性の高いパッケージが特徴で、Web広告の中でも視覚に訴えかけるInstagramが最もマッチすると考えたのです。
運用に関しては、フィードでは直接購入につながる効果を、ストーリーズでは認知度アップと顧客獲得を狙うというように、目的によって投稿の内容を使い分けています。弊社のビジネスモデルは、オンラインで認知を獲得して実績を上げて、ドラッグストア等のオフライン販売網に拡大展開するというもの。SNSを「流行をつくる場所」と考え、新商品発売の際も「SNSで流行るか」は重視します。

学生: 自社サイトとモールはどのように区別していますか?

伊藤さん: 自社サイトに関してはドラッグストアなどで購入できない商品をプレミアム商品軸に全商品を展開しております。 また自社サイトから抽出可能な顧客データからお客様のニーズを深掘りし、新商品開発に役立てる事も多いです。 モールに関して基本的にはドラッグストアなどで購入できる定番商品を展開をしているのですが、 各モール特性を理解しマーケティング戦略としての活用も重視しております。

学生: eコマース部門にはどんな仕事がありますか?

伊藤さん: 弊社は「どう売るか」「何を伝えるか」を全社で考えた上で、販売部門・マーケティング部門・ブランディング部門を横断してブランドごとのチームをつくっています。1人のEC担当者の仕事としては、売上確認やアクセスの分析、ページのメンテナンス、新商品の販売戦略の立案、パートナー企業との商談など幅広いのが特徴。大手メーカーでは分析や企画などそれぞれに担当者がいることが多いですが、弊社ではブランド運営のすべてに関われます。

そもそもeコマースって?業界の未来はどうなる?

伊藤さん: 「eコマース(EC)」とは、インターネットでモノやサービスを売買すること。ここ20年ほどの間に急速に発展しており、みなさんの中にもインターネットでショッピングをしたことがあるという人も多いでしょう。
すべての商取引のうち、eコマースの占める割合を「EC化率」といい、アメリカや中国に比べて日本ではEC化率がまだ低いのが現状です。日本人は実店舗で買い物をするのが好きな人が多いことが要因の1つと考えられていますが、新しい生活様式が浸透する中、日本でもEC化率が高くなっていくことは確実。日本の市場で大きな力を持つ百貨店やスーパーマーケットといった小売店も、実店舗に加えてeコマースへ拡大する割合が高まっており、これまでは別々に管理されていた実店舗とeコマースでの会員データの連携なども進むと見られます。
eコマースの運営には、販売だけでなく集客や顧客対応、商品管理、広告の選定や効果の分析など多岐にわたる業務があるため、それらのスキル・知見を持つ人材が一層求められるでしょう。

学生時代にすべきは“ネットでモノを売る経験”

学生: eコマース部門で採用したいのはどんな人物ですか?

伊藤さん: まず弊社の掲げる「Chain of Happiness」というミッションと、社員の行動指針である「クレド」に共感していただけることを重要視しています。また、数字に強いことやデジタルリテラシーの高さも大切ですが、
「この商品を自分たちでつくり、お客様に届けたい」という熱量を持てる方、そこに喜びを感じられる方がマッチすると思います。
その上で、学生時代にモノを売る経験をした方が望ましいですね。例えばアフィリエイトでLPをつくり、1ヶ月でいくら稼いだ…など。eコマースは販売だけでなく、リピーター獲得の施策、問い合わせ対応、広告の選定など全方位の仕事があるため、それらを理解しているかどうかで成長の速度が大きく変わるからです。

学生: eコマース業界を目指す学生へメッセージをお願いします。

伊藤さん: eコマースは今後も発展を続けるので、知見を持っていて損はありません。単にモノを販売するだけにとどまらない幅広い経験ができ、経営者視点も身につく面白い仕事です。
PhotoshopやIllustrator、動画制作、HTMLなどのスキルも大切ですが、単なるスキル習得ではなく、それらをどう活用してeコマースを発展させていくかという意識で学んでほしいですね。

「BOTANIST」ECサイト

人気のシャンプー・トリートメントだけでなく、ボディ・スキンケアやオンライン限定商品、雑貨まで多彩な商品が揃う「BOTANIST」。このサイトではブランドの全商品を購入できるのはもちろん、日々のケアについてのHowtoや、有識者・著名人のインタビュー、社会貢献活動のレポートなど多彩な記事を発信しており、メディアとしての役割も果たしています。

ECに興味のある方にオススメの専攻