VRはまず、学生時代の経験が大切です。

松村さん： VRは仮想の世界ですが、それを作るためには現実を知らなければなりません。社会に出るまでに、旅行はもちろん、どれだけ多くの経験をしておくかが大切になります。それらの経験で得たアイデアの引き出しをたくさん持っていることは、VRに関わる人にとても重要です。そして自分で調べる、原因を粘り強く探っていくような姿勢も大切です。
新型コロナの影響もあり、VRによる音楽ライブやVRSNSをはじめ、VRの世界はこれからもっと身近になってくるでしょう。まずはVRのイベントなどに自分から積極的に参加して、体感してほしい。誰もやったことがないことに挑戦する、それがVRの面白さ、やりがいだと思います。

これからは「AIが当たり前」という時代になります。

尾畑さん： AIはこれからもっと進化して、生活の中に当たり前に入ってきます。それをどう使いこなすのか。それを考え、生み出すのが私たちの仕事です。この仕事は日々進化し、2年もすると、今使っているシステムが使えないということも当たり前に起きています。
大切なのは、その新しい技術を追い続けようとする「好奇心」や、何と何を組み合わせれば良いのかといった「想像力」が必要になります。数学や物理、英語も必須。高校生の頃は「こんなの将来役に立つのかな」と思っていたかもしれませんが、この仕事では必要になります。
そして、自分が興味を持ったことに対して突き進んでいく探究心を忘れないでほしいと思います。

私たちの技術が多くの業界で注目されています。

田中さん： 私たちが、いま最も力を入れて開発しているのが、WEBカメラだけで骨格検出を可能にする高精度AI姿勢推定エンジン「VisionPose」です。
AIが人体の動きを推定・判断するため、従来のようなマーカーを付けて専用のカメラで撮影することなく、WEBカメラのみで簡単に骨格検出できます。この技術を用いて現在、トヨタ自動車が開発したリハビリテーション支援ロボットや、エイベックスが手がけるダンススキル評価アプリなどに技術提供。さらに、スポーツやエンターテインメント、医療・リハビリなど多くの分野から問い合わせをいただいています。
この技術を利用した「ミチコンPlus」は、誰でもスマホで簡単に体感できるアプリです。3DCGキャラクターにリアルタイムに動きを反映でき、バーチャルアイドルも生み出しています。その他にも、ポストコロナ時代で非接触・非対面によるリモート試着体験ができるシステムが、ファッションやブライダル業界から注目されています。常に人材が不足している業界です。
会社があるのは福岡市南区ですが、社員は全国から集まっており、ここから世界に向けて、常に新しい技術の開発に取り組んでいます。